ドラマ「13の理由」はシーズン4で最終シーズンとなります。
シーズン3まで積み残されていたわだかまりや課題も解決された形でしたが、とても涙なしには見られませんでした。
これまでのシーズンと異なる点は若干のホラー要素が含まれていた点です。
夢か現実か、見ている側を混乱させる描写は主人クレイの精神状態を反映しています。
大きなネタバレはありませんが、本編に触れる部分もあります。どうかご了承ください。
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クレイの精神症状悪化
シーズン4でクレイの精神症状は悪化の一途をたどります。
本人は症状に苦しみますが、友達に心配をかけまいと周囲に相談しようとはしません。
秘密を抱えているストレスがさらに大きな負担になっているようでした。
さてシーズン4ではクレイのカウンセリング場面が度々登場します。
カウンセリングの必要性に疑問を感じるクレイは、胸のうちをあまり話そうとはしませんが。。
精神科医役はゲイリー・シニーズという俳優さんでした。どおりで見たことがある顔だと思いました。
情緒不安定で、攻撃的だったり閉じこもりがちだったりするクレイに対し、医師は抜群の安定感でクレイと接します。
シーズン前半からクレイの様子が明らかにこれまでとは異なるため、その症状が気になっていましたが、医師が明らかにした診断名は「解離性障害」でした。
しかしこの病名が出たのはたったの1回だけ、後にはうつと適応障害に変わっていました。
解離性障害は過度のストレスによる一過性のものだったのかもしれません。
クレイの視点で描かれる恐怖
シーズン4はクレイの発病、ブライス殺しの真相、アレックスの葛藤、それぞれの進路などを軸に話が同時並行で進んでいくためいまいち話の流れがわかりづらい印象。
やれオープンキャンパスだ、野外キャンプだ、訓練だ、プロムだと学校行事も盛りだくさんです。
シーズン3のエンディングで示唆されたウィンストンによるブライス殺しの真相究明はストーリーのごく一部です。
クレイの体調が悪化していくに従い、現実に起こっていることなのか果たしてクレイが見ている幻覚なのかわからない場面が出てきます。
それぞれが感じている葛藤や罪悪感もあいまって、次第にホラー映画さながらの展開になっていきます。
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卒業へ
クレイや仲間たちにとってはかなり過酷な高校生活でした。
辛うじて生き残った彼らですがそれぞれに大きなトラウマを抱えています。
自殺未遂、性犯罪被害、友人の死、家族との離別、暴力、いじめ・・・誰も無傷でいられた者はいませんでした。
最終話で丘の上から街全体が映し出される場面があります。
こんな見渡せるぐらいの小さな町だったんだ、と視聴者は初めて気づかされます。
高校生だった彼らは各々の事情を背負いながらも自分たちの道に進みます。
すべて終わりとしか思えないようなつらい出来事があっても、生き残ったものの時間は続き、同じ場所にとどまることはできません。
一度はバラバラになったかに見えた仲間たちでしたが、助け合い互いに傷を癒やせる仲間の関係に戻ったようでした。
事件続きのサバイバル高校生活でしたが、終わり方としては、希望の光を感じられたのが良かったです。
「13の理由」の原作は2007年に発表された同名の小説です。