ブラジルドラマ「プリズン・エンパイア」シーズン2レビュー

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ブラジルドラマ「プリズン・エンパイア」シーズン2レビュー

ブラジルの刑務所を舞台にした犯罪サスペンス、「プリズン・エンパイア」のセカンドシーズンがNetflix(ネットフリックス)で配信されました。

シーズン1については2019年にうすくちレビューと称して記事にしています。

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「プリズン・エンパイア」シーズン1おさらい

「プリズン・エンパイア」シーズン2 公式予告編 Netflix Brasil

シーズン1が2019年?え、そんなに前だった?

というか、シーズン2が出るとは予想していませんでした。

シーズン1から3年も空いているため、前回のストーリーはなんとなくしか頭に残っていません。

簡単になんとなくのおさらいをいたしますと、「プリズン・エンパイア」のオリジナルタイトルは「IRMANDADE(イルマンダージ)」といい、兄弟を意味しています。

ちなみに英語だとBROTHERHOOD(ブラザーフッド)

ファベーラ(ブラジルのスラム)で生まれた兄エドソン、主人公のクリスチーナ、弟の3人兄妹、兄は弟妹の生活の面倒を見るため、生計のためまだ少年のうちから犯罪に手を染めます。そしてクリスチーナと弟はカタギの道へと進みます。

クリスチーナと弟が貧しいながらも犯罪に手を染めることなく成長できたのは、ある意味兄が犠牲になったようにも見えます。

やがてエドソンはイルマンダージという、正義をモットーにした犯罪組織をつくり、そのリーダーとして目立つ存在になります。クリスチーナは弁護士として成功していたのですが、兄との再会をきっかけに弁護士としての自らの立場も危うくなり、というのがシーズン1です。

ちなみに組織のリーダーのエドソンは刑務所にいます。それもかなり職員が暴力的な刑務所です。刑務所にいながら、仲間の信頼を受けて組織の指示を塀の外に向けて発信します。

シーズン1の最終エピソードではイルマンダージの正義が達成され暴力的な刑務所の支配者からは開放されたはず、でした。

「プリズン・エンパイア」シーズン2レビュー

しかし思わぬ展開が待っていました。シーズン2は移送された先の刑務所を舞台にはじまります。

エドソンが移送された先はさらにひどく、想像を絶する暴力が横行していました。それも警察などの権力者によるもの。

ドラマを観ながらしばしば私は、「これはひど過ぎる、こんなことはブラジルで実際にあるのか」という疑問をブラジル人である夫に投げかけました。

しかし彼によると、描写は誇張ではないとのこと。ブラジルの刑務所で過去に同様の暴力事件が起こりニュースになったこともあるそうです。

ちなみにイルマンダージと敵対している劇中の警察は賄賂・汚職が横行していて最悪です。

受刑者に対して人権意識のかけらもなく暴力的に描かれています。

それがまたイルマンダージの結束を強くするのですが、互いに報復合戦の様相を呈してくるともう一体何が正義かがわからなくなってきます。

警察が腐敗しているため、イルマンダージに熱狂的に賛同するファベーラの住民も印象的でした。

エンターテインメントとしてブラジルの暗部に迫る作品です。

ファーストシーズンとは明らかに異なる点はシーズン3へつながりそうな展開でした。

もしあるなら3年は待ちたくないのが正直な気持ちです。3年も空いたのはもしかしてパンデミックの影響もあったのかもしれません。

せめて1年後辺りに観られたらいいなぁと思います。