ファベーラが舞台のブラジルドラマ「シントニア」レビュー

ファベーラが舞台のブラジルドラマ「シントニア」自由レビュー

Netflixネットフリックスで配信中の若者ドラマ「シントニア」をご紹介します。2023年6月時点でシーズン3まで配信、ファベーラに住む若者たちが主役の物語です。

シントニアとはポルトガル語で「調和、一致」を意味しています。

またファベーラとはブラジルのスラム(貧民街)で、違法建築が密集している地域です。

ファベーラに住む幼なじみ3人が、集まったり疎遠になったりしながらそれぞれの道に進んでいくというストーリーなので、「シントニア」とはこの3人の関係を現わしているようです。

シントニア主役の3人をご紹介しながら感想をお伝えします!

「シントニア」公式予告編 Netflix

スポンサーリンク

音楽に進むドニ

ファベーラの様子
ファベーラの様子 ブラジル

3人いるうちドニが主役の位置で、あとの2人は準主役の位置づけと見えます。

彼は音楽の才能に恵まれ、すでに自分で曲づくりも始めていてオリジナルのストックもあります。

プロのMCを目指していますが、調子のいい大人たちに利用されそうになりながらも、夢を叶える道を模索します。

シーズン1では両親と一緒に住んでいる自宅の様子が度々出てきますが、お家の中はとってもキレイ。

スラムのイメージとはすこし異なっていました。

ファベーラは外から見るとごちゃごちゃして、外部の人にとっては危険と言われている地域ですが、中に住んでいる人たちは家族を大切にし、信仰が深い人たちもいることが読み取れます。

教会に将来を見出すヒタ

ヒタは家庭環境が複雑で、途中から母親の知人の女性牧師のところに身を寄せます。

牧師と一緒に教会の集会に参加するのですが、それをきっかけに信仰を深めて、自分も協会のために何かしたいと思うようになります。

信仰や教会に対する女性牧師と、ヒタの考え方の違いが浮き彫りになっていく様子がとても印象的でした。

女性牧師は一人一人の信仰そのものを大切にして、豪華な教会や大きなイベントにはほとんど関心がありません。

しかしヒタは信仰はあるものの、集会の規模や教会の建物の立派さに目を奪われます。

ヒタが憧れる教会はけして悪いようには描かれていませんが、ところどころ「ん?」と思う場面に出くわします。

スポンサーリンク

マフィアと関わるナンド

ナンドは若くして妻と子どもがいます。

生活のためマフィアの世界で認められるべく、彼は犯罪行為にも進んで手を挙げます。

かなり危ない橋を渡り、後戻りができないところまできていますが、奥さんはナンドの出世にしか興味がなさそうなのがちょっと気の毒。ドニやヒタとも疎遠になり孤立を深めます。

主役の3人の紹介はここまでになりますが、MCドニの音楽がさらにドラマを彩ります。

ドニを演じる俳優はJottaPe(ジョタッペ)というブラジルで音楽活動をしているアーティストです。