南米大陸の中央部に位置する大湿原パンタナールを舞台にした、とある村の秘密をめぐるサスペンスドラマのレビューです。シーズン2までNetflix(ネットフリックス)で配信されています。
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あらすじ
こちらはブラジルのドラマで2019年に公開されました。原題はポルトガル語で「o escolhido(オ エスコリード)」、邦題と同じ選ばれし者の意です。
3人の若い医師が変異型ジカウィルスの予防接種のため、パンタナール奥地の村に派遣されます。
しかし向かった先は特殊な信仰を持ち、医学を一切受け入れないカルト的集団の村でした。
その村において薬は毒とされているため、医師らは予防接種に反対している住民たちのいやがらせを受けます。
村では医学を使わずに、選ばれし者による儀式で病人やケガ人を回復させていました。任務を終えてすぐ引き上げるはずだった3人でしたが、事態は思わぬ方向に進んでいきます。
奇跡?トリック?選ばれし者の力とは
何から何まで秘密だらけの村です。3人が村に到着するや否や、村人は目も合わせずにそそくさと逃げていきます。
医学は一切否定され、薬は毒と信じられているその村で明らかなのは、選ばれし者は病やケガを治す力を持っているということ。
選ばれし者は治癒させる力だけではなく、村で一番の権力も持っています。
表立って選ばれし者に逆らうものは誰もいません。
しかし、この選ばれし者が力を使うときの儀式がパフォーマンスじみており、観ているほうは若干ひきます。
3人の医師も選ばれし者の不思議な力を目の当たりにするのですが、いまいち信じるには至らない感じです。
医師たちは気の毒に、そうやすやすと村から出ることはできません。なんだかんだで足止めをくらってしまいます。
不気味でありながらも好奇心がまさり、怖いもの見たさで続けて観てしまいます。
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村のモチーフ
特殊な信仰を持つこの村では儀式や祭りは大切な行事です。みな青い服を身に付けているのが特徴的です。
祝いの場で子どもたちが身に付ける被り物や衣装、装飾などは雰囲気が統一されていてアーティスティックです。
秘密が多く不気味さが漂う村ですが、その場面は対照的で純粋に観る者の目を楽しませてくれます。
また、村の人々は大蛇を恐れているのですが、村のモチーフは十字架と蛇です。モチーフの意味は詳しい説明がないのでいまいち不明ですが、村の大人たちはみなモチーフの人為的な傷跡が上腕部にあります。
しかし、この十字架と蛇のモチーフ、十字架に蛇がぶら下がっている(?)ようなデザインですが、途中でひらがなの
「ち」
に似ていることに気が付きました。
シーズン1の続きで2まで観ましたが、シーズン2以降はすこし話が間延びした印象です。
こちらもブラジルの謎めいた「村」が登場する「バクラウ」という映画です。世界各国の映画祭で受賞し評価を受けた作品です。合わせてごらんください。